昔から実践的でなく、役に立たないなんて言われてしまう日本の英語教育。

日本に戻ってきて、日本の公立中学生、いったい今はどんなことをやってるの?と興味が湧き、長男の高校受験のことも考えて、高校入試の問題を買ってきました。流石に中学生の問題だし問題なく解けるだろう…と思って目を通してみたのですが…


う〜ん、日本の英語の問題ってやっぱり微妙。。。

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*と、ここで一言!

日本の英語批判(だと思って)嫌悪される方もいるかも知れないので苦手な人は回れ右でお願いします。


個人的には、英語をそれなりにやってきたのに喋れないと悩んでいる人にぜひ読んでいただきたい内容です。

私が実際に海外で、英語やドイツ語を汗水垂らしながらなんとか伝えようと話す中で感じたことや、ここを日本の英語の教育に組み込めばいいんじゃないのか?という「気づき」をメモ書きしたようなものです。

私がここであーだこうだ言ったところで何か変わるわけでもないのですが…。

まずは分析をして、自分なりの意見を持っておくことは、万一英語関係者や教育者に話すときに役に立つのではと思っている次第です。

というわけで戻ります。。。

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山ほどツッコみたいところはあるのですが、とりあえず一番気になる点がやはり

「日本の思考で英語を考える」

ところでしょうか。


要は日本の英語の授業では英語という言語を学んでいるだけで、英国圏の文化をほとんど学んでいないのです。

例えばこのバランスの取れた食事をみんなにプレゼンテーションするという問題。

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「主食」「副菜」「主菜」を使って説明しています。これらは家庭科の授業で習う日本人なら比較的当たり前の感覚なのですが、欧米でまずこの発想はない(はず)…。


ですので、食事や健康的な食の話をする際に主食が〜だの、副菜が〜だのを英訳して話しても伝わりにくいのです。あと献立という概念がないのでこうした日本文化を英語でわかりやすく説明できるとしたら、それは英語の中上級レベル以上だと思った方がいいでしょう。


実際海外に出ると、周りからの「日本人は一体何を普段食べているのか?」という質問に嫌というほど出くわしました。


最初は私も、主菜や副菜の話をしていましたが、相手は全くピンと来ていないのです。


彼らにはその感覚は全くないので、いくらこの説明をしても無駄なのだと判明。なのでどうしたら分かりやすく相手に伝わるかということ、相手がどんなことを知りたいのかという点に重点を置き、自分でも工夫して話すようにすると、回を重ねるごとにどんどん伝わるようになっていきました。


よく完璧な英語でなくても伝わる、と言われますが、結局この感覚を持てるかどうかは重要であると思います。


ビジネスの場でも「日本の人は英語は話せるんだけど何をいっているのかがいまいちよく理解できないのでコミュニケーションがとりずらい」という話もドイツにいた頃はよく聞きました。おそらくこうした相手の文化への理解がないが故にコミュニケーションがうまくいかないのかもと妙に納得してしまいました。


もし「健康的もしくはバランスの取れた食事」というテーマであれば、私ならば、日本とアメリカの子がお互いにプレゼンして考え方が違うんだという問題に出すかなと。


他にも設定として、日本にいて外国人に道を聞かれる、自分の学校のクラスに英語の先生がやってくる、外国人に日本のことを教える、というシチュエーションばかり。要は全て日本をベースに置いているので、相手の文化がほとんど見えてこないのです。

まあ、それだけ英語に触れる機会がないというリアルな現実を映したものとも言えますが。。。


ちなみにドイツではロンドンに旅行に行く設定だったり、イギリスの天気の話が出てきなりなど、自分たちが英国圏に行く設定も多くみられました。

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*ドイツ時代の英語のワーク

まあ、ドイツは日本以上に英語をつかう機会が格段に多く、文化も近い。また英語はドイツ語の親戚みたいな言語なのでドイツ人が英語に馴染みがあるのは当然のことです。それでも皆がペラペラ喋れるわけではなく、大学卒業後に1年ほどイギリスなどに留学して、英語スキルを身につけてから就職する人も結構いるそう。(やはり英語が喋れる方が有利な場合が多い)


まあ、日本人にとっていかに英語が遠い存在であるのかと改めて認識した次第です。


ただ、せっかくの学校教育なのでこうした文化の違いなどもどんどん取り入れて英語や他言語、他の国の文化にも子供がもっと興味が持てる工夫があればいいのになと思っています。