昔から実践的でなく、役に立たないなんて言われてしまう日本の英語教育。
日本に戻ってきて、日本の公立中学生、いったい今はどんなことをやってるの?と興味が湧き、長男の高校受験のことも考えて、高校入試の問題を買ってきました。流石に中学生の問題だし問題なく解けるだろう…と思って目を通してみたのですが…
う〜ん、日本の英語の問題ってやっぱり微妙。。。
*************************
*と、ここで一言!
日本の英語批判(だと思って)嫌悪される方もいるかも知れないので苦手な人は回れ右でお願いします。
個人的には、英語をそれなりにやってきたのに喋れないと悩んでいる人にぜひ読んでいただきたい内容です。
私が実際に海外で、英語やドイツ語を汗水垂らしながらなんとか伝えようと話す中で感じたことや、ここを日本の英語の教育に組み込めばいいんじゃないのか?という「気づき」をメモ書きしたようなものです。
私がここであーだこうだ言ったところで何か変わるわけでもないのですが…。
まずは分析をして、自分なりの意見を持っておくことは、万一英語関係者や教育者に話すときに役に立つのではと思っている次第です。
というわけで戻ります。。。
山ほどツッコみたいところはあるのですが、とりあえず一番気になる点がやはり
「日本の思考で英語を考える」
ところでしょうか。
要は日本の英語の授業では英語という言語を学んでいるだけで、英国圏の文化をほとんど学んでいないのです。
例えばこのバランスの取れた食事をみんなにプレゼンテーションするという問題。
「主食」「副菜」「主菜」を使って説明しています。これらは家庭科の授業で習う日本人なら比較的当たり前の感覚なのですが、欧米でまずこの発想はない(はず)…。
ですので、食事や健康的な食の話をする際に主食が〜だの、副菜が〜だのを英訳して話しても伝わりにくいのです。あと献立という概念がないのでこうした日本文化を英語でわかりやすく説明できるとしたら、それは英語の中上級レベル以上だと思った方がいいでしょう。
実際海外に出ると、周りからの「日本人は一体何を普段食べているのか?」という質問に嫌というほど出くわしました。
最初は私も、主菜や副菜の話をしていましたが、相手は全くピンと来ていないのです。
彼らにはその感覚は全くないので、いくらこの説明をしても無駄なのだと判明。なのでどうしたら分かりやすく相手に伝わるかということ、相手がどんなことを知りたいのかという点に重点を置き、自分でも工夫して話すようにすると、回を重ねるごとにどんどん伝わるようになっていきました。
よく完璧な英語でなくても伝わる、と言われますが、結局この感覚を持てるかどうかは重要であると思います。
ビジネスの場でも「日本の人は英語は話せるんだけど何をいっているのかがいまいちよく理解できないのでコミュニケーションがとりずらい」という話もドイツにいた頃はよく聞きました。おそらくこうした相手の文化への理解がないが故にコミュニケーションがうまくいかないのかもと妙に納得してしまいました。
もし「健康的もしくはバランスの取れた食事」というテーマであれば、私ならば、日本とアメリカの子がお互いにプレゼンして考え方が違うんだという問題に出すかなと。
他にも設定として、日本にいて外国人に道を聞かれる、自分の学校のクラスに英語の先生がやってくる、外国人に日本のことを教える、というシチュエーションばかり。要は全て日本をベースに置いているので、相手の文化がほとんど見えてこないのです。
まあ、それだけ英語に触れる機会がないというリアルな現実を映したものとも言えますが。。。
ちなみにドイツではロンドンに旅行に行く設定だったり、イギリスの天気の話が出てきなりなど、自分たちが英国圏に行く設定も多くみられました。
まあ、ドイツは日本以上に英語をつかう機会が格段に多く、文化も近い。また英語はドイツ語の親戚みたいな言語なのでドイツ人が英語に馴染みがあるのは当然のことです。それでも皆がペラペラ喋れるわけではなく、大学卒業後に1年ほどイギリスなどに留学して、英語スキルを身につけてから就職する人も結構いるそう。(やはり英語が喋れる方が有利な場合が多い)
まあ、日本人にとっていかに英語が遠い存在であるのかと改めて認識した次第です。
ただ、せっかくの学校教育なのでこうした文化の違いなどもどんどん取り入れて英語や他言語、他の国の文化にも子供がもっと興味が持てる工夫があればいいのになと思っています。
コメント
コメント一覧 (15)
しかし、批判しても仕方ないです。
そんなにドイツの教育が気に行っているならずっとドイツにいらっしゃたら良かったのでは?
お子さんだけでも母と子供だけでもいらっしゃたらいいのに。
日本では5年生から英語を義務教育で学べる機会があるので、この機会を生かして、日本の子供たちの英語教育はもっと改善(いや、「改善」という言葉はよくないですね。「もっと良くなるのでは」)できるのではと思い、私なりに気付いたことを書いてみました。何が問題なのか分からなければ、良くする事もできないと思うので。
私は日本から出たことがないので、そう言うところに違和感を感じられるのは、海外で子供さんの教育に触れることができたからだろうなと感じました。この感覚って、ご自分で感じている以上に貴重な感覚だと思うので、もっと違和感を教えてほしいです😃
子供に英語を、というより世界をもっと身近に感じて欲しいです。相手の文化や言語を素直に受け入れられる環境を作ってあげたいです。
うちの母は、小学生の子供に対して英語に触れさせることすら嫌がる人でした。日本語もわからないくせに!と言われました。それも日本人的発想なのかも😅
いつもブログ楽しみにしています!
ありがとうございます!実は私も言語以上に相手の文化や社会的背景を知ることの大切さを感じていて、それが結果として言語習得の一番の近道になるのではと感じたためそれをお伝えしたく思っていました。ヨーロッパがここまで移民だらけの「マルチカルチャー」社会だなんて40目前での初海外生活で初めて知り、そこで初めて国際社会に興味を持った私です^^; 世界は広いんだあ〜!ということをいろんな方に知って欲しいなあと思っています。
はい、これからも楽しみにしています😊
ドイツで渡独された数年前から、ずっと読ませて頂いていました。
私にとってドイツやヨーロッパはすごく遠い国でしたが、このブログのおかげで身近に感じられるようになった気がします😊
ありがとうございます。
私は一年だけアメリカにいて日本の中高の英語教師の資格も持っています。現在教師ではありませんが。
本当、話の前提の理解が違うだよなー!ということは多いです。と言うか、日本人は最初の前提をみんな理解しているというで話をするので、??ということが多いのかな。
あとは私自身もそうですが、一般的な高校までのレベルだと、英語の語彙力が相当不足していると感じます。
単語が分かれば何とかわかると思うのですが、それが分からないのでリスニングも全くダメという事態になるんだと思います。みんな一生懸命勉強しているとは言いますが、同じ文章を書かせたり無駄が多いなと思っています。
英語教師の資格を持っていらっしゃるミントさんからのコメント興味深く読ませていただきました。そうなんですよね、最初の前提をみんな理解しているでしょ、というところ、本当にウンウンと頷いてしまいました。語彙力も然りですよね。私もそうです。。。1つの単語にもいろんな意味があったり使い方があったりしますよね〜😅 現地の子供新聞やニュースを読んだりなど、生きた英語にどんどん触れていかないと語彙力は増えないなとしみじみ感じます。ただ日本はNHK英会話ラジオ(例えば「高校生から始める現代英語」など)安くて秀逸なマテリアルも多いので授業などで活用するといいのでは?と感じました。一部の私立学校では利用しているそうですね。
私も3年間子供とドイツに住んでいて。つい2ヶ月前に母子だけで先に本帰国しました。ドイツにいらっしゃる時からブログを拝見していましたが、帰国されてから改めて気付いたことが悉く同じで驚いています(笑)
一汁三菜の話をしたことがありますが、なかなかピンとこない(言っていることは分かるけど感覚的に理解できない)感じでした。Suppeがあるのにメイン料理以外にあと2つもあることが信じられないんでしょうね。一品のボリュームの違いを考えれば当然なのですが、そこをすっ飛ばすと相互理解は難しいなと思います。コミュニケーションを深めて、こんなに違って面白いという気付きに変わるとよいですよね☆
私はカナダに住んでたことがあったんですが、その時に判明したことがすごく以外だけど納得ー!だったことがありました。
私はバリバリのジャパニーズイングリッシュな発音で、文法も語彙力もあんまりなかったんです(今でもですが^^;) 対して友達は、文法も発音も語彙力も全てにおいて私よりも数倍上。なのに、私の英語の方が現地の人に理解してもらえるんですよね。
なんでだろうね?って現地の友達に聞いたことがあるんですが、「君の英語はスピード感、強弱やリズムなどがあるから頭に入ってくる。友達の英語はそれがないから分かりづらい。話してる言葉をすべて文字に書き起こせば、友達の方が絶対に理解しやすいと思うけど、会話だったら君だね」って。
確かに、日本語を一語ずつ「きょ う は い い て ん き で す ね」って区切ってゆっくりと喋られたり、高低のない棒読み状態になると、日本人同士でも理解できないことってありますよね。何語であろうと、ネイティブであれば少しくらい文法や語彙が変でも理解してくれます。でもその言語ならではの波が変だと理解できない。友達は慎重になり過ぎてしまっていて逆に伝わらない英語になってた。私は勢いとノリだけで話してるのがプラスになってました(笑)
言語って音楽と似てるなーって思うことが多いですけど、やっぱりリズムって大切なんだなーって強く思いました。勢いとノリでは受験を乗り越えられないですが、大人になってからの英会話では十分に通用しますね(笑) 日本人ってちゃんとした英語を話さなきゃって思ってしまう人も多くて、そういう人はどうしても考えながら話すから友達みたいにリズムが崩れちゃって理解されないってなっちゃってる人も多いんじゃないかなーって思ってます(#^^#)
めっちゃわかります!!!!!ドイツ語も全く同じです!!!!
そう、音楽と似てると私もすごく思いました。抑揚とかリズムとかが全然違うと正しい文法で話していても理解されないんですよね。夫の英語もまさにそんな感じです。
やはりその点、現地にいないと難しい点ではありますが、発音というか文章の抑揚や話し方もすごく大事ですよね。私も家で語学を勉強するときはラジオやネットなどで、ネイティブの英語やドイツを聞いてその抑揚や感覚をシャドーイングなどをして練習しています。
本当にこのドイツと日本の違いあるある!を語りまくりたいです(笑)。そして意外にドイツにいらっしゃったことがある人が多いことにびっくり!!!
海外滞在で私が感じた、国や文化を超えた人たちとの相互理解の大切さや面白さなどを伝えていきたいと思っていますが、ブログの文章だけだと結構難しいなといつも感じています。
日本の教育は、どっかの誰かの理想なのか、かなり細かい型から入る(ご紹介いただいた健康的な食事というテーマしかり)ので、英語教育に置き換えると、個性の出る具体的な情報が欠けてしまう場合が多いと感じます。
結果的に、文章表現としてキレイではあっても、中身が薄くなることがあります。
ただ、日本においては、この 型 をきちんと身につけられる子どもは、間違いなくできるほうとして評価されるんですけども…
わたし個人としては、基本文法とパラグラフ構成さえ習得すれば、中身は自由でいいと思いますが、自由、というのが、また日本人には難しい注文だったりするんですよねえ…
本当に私もそう思います!!(日本は全体的になんでも型が細かい気が😅)翻訳者や完璧な文章を書く仕事以外であれば、あくまで言語はツールであるので、中身が濃いことが一番だと思うんですよね。お国柄なのかなとも思うのですが、まあ結局それだけ英語が遠い存在であることのあらわれなのかなと。。。
言語を育んだ文化を知らずして、習得は難しいのかもしれませんね。
話は違うのですが、この間「彼女は赤ん坊が寝ている間に皿を洗います」という例文を見ました。んなことできるかーーー!!(赤ちゃんによるでしょうが。)色々つっこみどこがあって、21世紀の中学校のテキストとは思えない。
意見することと否定することは違いますし、拒絶することもまた違いますよね。
そうなんですよね!私の地方では、掃除の際、机を後ろに引きずって下げることを「机をかく」というんです。これはお祭りに担ぐ「たいこ(御神輿みたいなもの)をかく(担ぐ)」から来ているんでるよね。多分転校生は驚いたんじゃないかな?
そしてうちの子も寝ている間に皿が洗える子ではなかった。。。コーヒー淹れようとお湯が沸いた瞬間に起きる子でした。。。W