5年半前にドキドキしながらドイツで初めて購入し、(業者に)組み立ててもらった我が家のキッチン。
IKEA製!
(昔日本のIKEAに行くとキッチンコーナーがあって誰が買うんだろう?と思っていましたが、欧米では結構普通なのですね。ドイツのIKEAのキッチンコーナーはものすごく広いです!)
IKEA以外にもキッチンを売っているお店はドイツでも色々ありますが、スタッフが英語が話せて家のインターネットである程度設計なども出来たためドイツに来たての我が家にはIKEA以外の選択肢はほぼありませんでした。。。
さて、これを書いていて、キッチンを購入した時のこと、ドイツに来た手のことを一気に思い出し、思わず目頭が熱くなってきましたが…
今度はそんなキッチンを、ついに売る時が来たわけです。
今度はドイツからお別れ、あ、また目頭が熱く…。
とは言え、これは洗濯機に続くかなりのハードルの高さです。
引っ越しなれたドイツ人なら「よくあることの1つ」として捉えられ、友人や家族などで皆で協力して組み立てたり分解したりするのでしょうが…
我が家は全く慣れていない日本人家庭ですから(汗)。
ただ、そんな我が家でも全く問題なく可能な方法が1つだけあります。
それは次の借主に売ること!
これなら運び出しの手配などもなく、金銭のやりとりが発生するだけで、こちらはちょっと掃除する程度。お互いに省エネでいいことづくめです。
しかもうちのキッチンはオーブン、冷蔵庫、冷凍庫、食洗機、IHコンロ、換気扇もついて結構立派なキッチンなのです。
安くすれば絶対に売れる!!!
これにはかなり自信がありました。
が…!!!!!!
「私は白いキッチンがいい。長く住むから気に入ったものを使いたい」
と、(次の借主の)奥様がポツリ。
ガーン。そ、そんな!!!殺生な〜。。。
が、し、仕方ない。
そこで気持ちを一気に切り替え、またもや個人売買サイト「ebay-kleinanzeige」に出品することにしました。
値段も10分の1に下げてお値段なんと500ユーロ!(6万円くらい)
全部ついてですよ!安くないですか!?
すると、数時間後にはどんどん連絡が来はじめ、対応に追われるほどに。
が、ここで浮ついた心を見せてはいけない(笑)。
こんなに安いのに「もっとまけろ」だの、「ヘイ!」「キッチンある?まだ?」だの細切れに変な文章(外国人なので妙なドイツ語)で送ってきたりだので、
「ちゃんと約束を守って取引のできる人」かどうかこちらも見極めなければいけないのです。
出品して数分後に真っ先に2人の人が名乗り出たのですが、1人目の人は鼻息が荒すぎてスルー。(笑)
2人目の人がとても丁寧なメッセージだったのでまずはその人とコンタクトを取ることに。
無事に見学の予約まで取ったのですが、その人がその日はこれないことになってしまったのです。
次の日なら大丈夫とは言うのものの、日に日に引越しの日が近づいてくるので待つのはちょっとリスクが高いなと思うように。
並行して他の人とも進めなよ、と言う夫のアドバイスも参考に、その鼻息の荒い1人目の人にもついに返信をすることにしました。(数時間おきに何度もメッセージを送ってくる)
「俺は家具職人だ」「お金はすぐ送金する」「今日見に来れるぜ!」ととにかくやる気満々(笑)。
まあ、そこまで言うなら…と連絡をすると2時間後にはやってきました(笑)。
小柄で中東系の顔立ちの中年男性。悪そうではないのだけど陽気なタイプでもない。
セカンドハンドするとこういうタイプの人に会う機会が多いなあ。。。
そして我が家のキッチンの引き出しなどの細部をやたらチェックしながら(明らかに業者の目つきで)一言。
「500は高い…。250ユーロでどう…?」
は、はあ?????
「これは…ここら辺も汚れているし、ここ4階でしょ?手伝いとか居ないわけ?」
と、
「少しでもデメリットを探してまけさせよう作戦」に出たオヤジ。
そこで私も負けじと
「いやいやいや!んなわけないだろ!だいたいこれは人気なの!あと20人は待ってるの!明日も予約が入っていて、その人は運べると言ってるから!」
と有る事無い事ぶちまけるとそのオヤジは、冗談冗談、と言わんばかりに顔と手を振り、
「ちょっと待ってて。結論出すから。2時間以内に戻る」
と言って去っていき、30分後には息を切らしてまたもや我が家に戻ってきました。
そして真顔で「450!それ以上は無理!」とめちゃくちゃ真剣な顔。
それを聞いて「まだまけてくるか!?」と驚いたのですが、ちょうど洗濯機を運ぶのを手伝いに来てくれたドイツ人の知人男性2人が「450はまあアリだね」と言うので、少し悩んだ結果、その金額で手を打つことにしたのです。
するとそのオヤジは50ユーロを前金で渡し、サクサクと日程の話へ。無事に引き取り日時も決まり、一応交渉が成立しました。
前日に出品して次の日には引き取り手が決まるという素早さに驚きつつも、私としてはなんだかとても不安。。。
大丈夫かな?なんか胡散臭い気が、と思ったのですが、側にいたそのドイツ人知人2人としては「問題ない。大丈夫。」「ちゃんと払うよ」と。
2人の予想としてはあれは転売屋で、まあちゃんとしてそうだから交渉が成立した後は支払いも作業もスムーズなはず、だと。
う〜ん、いまいちどんな人が大丈夫かのポイントが私には分からないな。。。
子供の通っている学校のお母さんたちみたいな人が来るなら全然問題ないんだけど。
というか、もともと私はお金の絡む交渉ごとがかなり苦手です。
そうしたセカンドハンドのやりとりを楽しめる人もいるとは思うのですが、
私は絵描きだからか何かを作ることに集中したい方なのでそちらにエネルギーがまわらないのですよ。。。
実際、このebayではこちらが提示した値段以下で購入することはザラにあることらしいので、本当に自分が納得いく値段で売りたいのであれば、はじめに上乗せした値段で提示する必要があるとのこと。
さて無事交渉成立しましたが、果たしてキッチンは無事我が家から買われて去ってくれるのでしょうか?
次回に続く!
*ちなみに2人目の丁寧なメッセージの人はフランス人の女性でした。(業者ではなく完全に個人購入を希望)日本語を習っているとのことで少し日本語でメッセージもやりとりしたりして楽しかったです。笑