10.102020

3ヶ月前ほど前の話ですが、漫画に描いたように美容院でお会計申告の際間、違えてしまい、5ユーロほど安く払って店を出てしまいました。

午前中に美容院に行き、「あ!もしかして!」と、
これに気がついたのが夕方。子供に聞いても他の人に聞いても

「あ〜、それは仕方ないね…。次回は気をつけたらそれでいいんじゃない。」

と皆口を揃えて言うのです。



そもそも「分からないならなぜ聞き直さない?」と思われる方もいるかもしれません。

が、これが結構難しい。

頭がクリアな時はしっかり聞き直したりできるのですが、ぼんやりしている時、
頭が働かない時なんかは全然ダメで、しかもどう聞き直せばいいかが出てこない時、
余計なことを話すことで逆に混乱を招きそうな時は、そのまま流してしまうこともあるのです。

これはやはり母国語では起こらないことなので、そこは異国に住む難しさなのですが。。。



さて、久々に日本の道徳なる教科の教科書を読みましたが…

ドイツと価値観が違いすぎて久々にカルチャーショック!(笑)


まず、この漫画で次男ワタが読んでいた話は

「たこ焼き屋で350円を買うのに500円を出したら150円のお釣りのはずが、
店主の間違えで200円返ってきてしまった。主人公たけしはそのお金を握ったまま、
たこ焼きを頬張りながら、弟と話し、やはり返しにいくことを決める。そして返して褒められる。」


みたいな内容だったのですが、ドイツだったら、もしその場で気付いたら返すけど、
家に帰ってきてまで返す人はまずいないでしょう。(日本でもいないか?^^;)


と言う以前に、ドイツは店員さんのお釣りの間違えがめちゃくちゃ多いので
逆バーションの方が日常茶飯事なのですが…。(汗)


まあ、お互い間違いに関しては「次は気をつけよう」程度の緩い面もあるので、
外国人で間違いの多い私としては非常に助かってはいるのですが…。



しかし、他の物語も読んでて思ったのですが、日本の道徳教育って主に
「自分がとった態度に相手がどう思ったか。その時〇〇さんはどんな気分になったと思うか」
と言った相手の心を読み取ることと、自分がとった行動に対する反省を促すことに
重きを置いているんだな、と。



それに対しドイツでは

「自分の意見や考えを相手に分かってもらうためにどのように伝えるか」


が非常に重要であり、また反省よりも次にどう活かすかを重視されるので、
日本に比べてみんなあまり失敗を引きずらないと言うかケロリとしている気がします。



なのでドイツ生活に慣れてしまうと、相手に言いたいことが言えずに泣いたり、
ムスッとしているシーンなんかでは

「なぜここで話し合いをしない!?」


とツッこんでしまう訳です。

もちろん、「相手を思いやる」「相手の身になって考える」といったことは
世界中どこにいても人間として非常に大切なことだと思いますが、


これが度をすぎて「相手の心を読む」レベルになってしまうとしんどいです。


「ラインの返信がこない」だの「心の読み間違えでママ友間トラブルになってしまった」
だのの本当に小さいことでストレスを抱えることになってしまう。


私もどちらかというと元々はそのタイプでもあるので、
ドイツ生活当初は本当に苦労しました。


特に外国語というハードルもあるため頑張って注意しているのに、間違えは日常茶飯事。


いろんな人に迷惑をかけ、謝ってばかりだったり人の顔色ばかりを窺っていると
そちらの方が信用されないので、だんだんとドーンと構えるようになりました。


今思うと、一体何に怯えていたのだろうか、私は…。




ドイツ人もそうなのですが、移民の人のハートはそれ以上に強い人が多く(笑)、
小さいことでチマチマ悩んでばかりの私にとって本当に羨ましい限り。


ガラスのメンタルではあっという間に病んでしまうので、
欧州に住むならば、心臓にどんどん気を生やして生きるしかありません。


もちろん図々しくしろというわけではなく、
「人は人、自分は自分」という気持ちをしっかり持つということです。


「人の心は読むものではなく、分からなければ尋ねるもの」
「自分がどうしたいかを相手に伝えること」
「相手の失敗を許すこと」
「自分が悪くないのに、空気で絶対に謝らないこと」


人のことを思い、気遣うのが得意な日本人にとって意外と難しい項目かも知れませんが、
ドイツで生きる上では重要なポイントかと思います。

あ、この5ユーロ分は次の時にチップで払っておきましたよ〜。