私の住むノルトラインヴェストファーレン州(以下NRW州)で近々、バスや電車などの車内及び中央駅構内でマスクを着用していない場合150ユーロ(約18800円程度)の罰金が課せられることになるそうです。


マスク着用は既にドイツ国内で義務化されており、国民に定着しています。(NRW州では4月27日施行)州によって罰則は異なりますが、今までのNRW州はマスクを着用していない人には忠告のみで、それに従わない場合のみ罰金を支払うというシステムだったそうです。


さて、たまに日本語の記事を読むと「欧米人はマスクを見直しはじめた」「マスク文化を賞賛」と言った類の記事を見かけますが、


ぶっちゃけ言うと…

周りでマスクを賞賛している人なんて見たことがありません。


ただドイツでは、ある時を境に、ロバートコッホ研究所がマスクの飛沫感染抑止効果を認め、その発表に伴い義務化もされたため、人々は納得しつつも「仕方なく」付けているだけに過ぎません。


実際に夏は最悪ですよね。

みんな口を開けば「めんどくさいわよね」「蒸れるわー」「いつまで続くんだろうね」「仕方ないけどね」と言ったポジティブとはかけ離れた愚痴が出まくっております(笑)。



そう聞くと「わがままなだけじゃん?」と思われるかもしれませんが、元々ドイツでは人々は顔を隠すこと=不審であったり、表情が見えないことに対し不安を感じる人が多いようで、医療現場以外でマスクをつけるという行為事態にネガティブなイメージを持っている人は少なくない様です。


日本のように「心を読み取られたくない」「目元だけの化粧でいいからむしろ楽ちん」(と、日本時代思ってました…)といった考え方と180度違うのはやはり文化の違いを感じます。

また日本では「マスク=人にうつさない思いやり」という図式が頭の中で成立する人も少なくないかと思いますが、ドイツでも思いやりのある方はかなり多いと感じています。



例えば日本でホームレスの方に恐怖感や嫌悪感を感じる人は結構多いと思いますが、ドイツでは慈愛の気持ちを持って接している人が驚くほどに意外にいて、道ゆく人が優しい言葉をかけたり食べ物やコーヒーを差し入れしてあげる姿をよく見かけます。子供にもとても優しいし。


優しさや思いやりに関する方向性やベクトルが違うのかもしれません。 と、いうわけで、『コロナが終息した暁には、ドイツでもマスク文化が定着し、冬場でもマスクをつける…』なんてことはまずないだろうというのが私の持論です。


マスクは単に「忌々しい(とまでは言わないけど)コロナのシンボル的な負の遺産」として人々の脳裏に残り、冬でも風邪やインフルエンザ予防対策としてマスクをつける、ということには決してならないだろうと推測しています。(あくまで推測ですよ!)


さて最後に、着用義務については賛否両論あるかと思いますが、推奨レベルの場合、日本で話題になっている「マスク警察」「自粛警察」等、無意識にソフトな監視社会になっている点は報道で知るだけでも、息苦しさを感じています。

06.06.2020-1
*ドイツでは責任、怒りの矛先が政府に向いており、みんな比較的
ロックダウン中よりはリラックスしている様子です。旅行も結構行っています。

学校開始について保護者から苦情が来ても「州知事が指示を出さないから私たちも
困っているんだ!私たちも学校再開を待っている!」と反論するという。。。

まあ、個人間で対立することももちろんあるでしょうが、
ドイツ人は自分の考えが基本的には一番、と思っているので
そもそも他人に何か言われてもまず気にしないでしょうね。

06.08-2020-2
*なんかネガティブなイラストになってしまいましたが…

今の日本は政府が迷走しているので「自分たちでなんとかしないと!」という気持ちから
多くの人が自主的にコメンテーターやリーダーのような気持ちになってネットのコメントなども
書き込んでいるのではと思います。(まあ、そうなりますよね。。。)

そのことが自粛警察や、人々のプライベートに首を突っ込む事態になっている気がしています。

日本人は相手のことを思いやれる人が強く、また我慢耐性も強いので
もしも倒産したり、コロナに罹ったりしても、どうぞ自分を責めないで欲しいです。
全てが政府の責任とは言いませんが、じゃあ政府の仕事とは一体なんなのかと…。


そういう点でマスクの義務化は「つけていなかったらお上にその人が罰せられるだけ」なので意外と我々庶民は精神的ストレスが少ないのです。この点は実際に体験してみて義務化のメリットかなと感じます。


外出の際、忘れて取りに帰るのは面倒くさいですけどね。