08.06.2020

ここ最近コロナのニュースを凌ぐほど、ドイツでも大々的にアメリカの人種差別デモのニュースが報道されています。デモは欧州にも飛び火し、ドイツでもベルリン、ハンブルクなどの大都市で活発化。アメリカ同様にドイツもまた、アラブ系を始め、ラテン系、アフリカ系、アジア系など様々な人種が住んでおり、人種差別自体は大なり小なりあると言えるでしょう。そう思うと一見ほぼアメリカもヨーロッパもさほど変わらないように見えますが、「欧米」と一括りにしてしまうしてしまうには乱暴なほど、両者は文化や社会制度など大幅に異なります。


今回の報道で改めて感じましたが、やはりアメリカは医療面、教育面でお金がないと「相当キツイ!」ということ。ドイツではもちろんそれなりに高い税金は払ってはいますが、ドイツで一番いいなと思うのは教育費が本当にかからないところです。 ドイツにも勿論、学費の高い私立学校やインターナショナルスクールもありますが、ドイツの教育のメインは依然として公立学校。4年生で小学校が終了し、大学進学コースが職業訓練コース向け学校に通うかといったシビアな選択はありますが、中高等学校もほとんどが公立であり、授業料は無料なため、大学まであまりお金をかけず教育を受けさせることが可能です。一度、中高等学校進学の際には、成績や本人の希望などにによって進学先を決めますが、日本のようは受験はなく、また塾に通う生徒はほぼいないため(高校生くらいになるといくこともあるそうですが。あとは週1回の家庭教師程度。)塾代もほぼかかりません。そして大学も半年で300ユーロ程度(日本円で3万6千円程度)と激安の学費!さらに奨学金制度も充実しているので教育面では本当にありがたいことだと思います。


それに対しアメリカの学費は恐ろしく高いそうで、アメリカ人でもあえて物価や学費の安い南米などの大学に入学する人もいるのだとか。つまり「高い学費を払える=高等教育を受けられる」という図式が成立し、稼ぎの低い貧しい黒人層の人たちはいつまでも貧困のループが抜け出せないのだそうです。

ではドイツではこの貧困ループから抜けられるのか?

周囲の子供たちを見ている限り、可能性は十分あると思われます。先述した通り、ドイツもまた移民の多い国です。貧困からの脱却を目指し、多くの移民がドイツに移住してきて新生活を始めますが、ドイツ語が満足に理解できない上、スキルも学もなければ当然仕事は限られてしまいます。ということで移民一世はなかなかいい仕事につくことが難しいのですが、幼稚園、小学校とドイツ語環境で教育を受けた二世はドイツ語が堪能な子が多く、また能力の高い場合、大学進学向けの「ギムナジウム」という中高等学校に進学し、大学でスキルを身に付けいい職につくことも可能です。(また大学に行かなくとも職業訓練を受けて技術を身につけることができます。)

ただ現実問題、家庭環境の面、親のドイツ語面などでも移民家庭はハンデはありますので結局望まない進路に進む子供も決して少なくはなく…。なので逆境に負けない、ハングリー精神が強く学びへの好奇心が旺盛な子は負のループから抜け出すことは可能と言えるでしょう。かなりざっくり言うと、ヨーロッパ諸国は保守的で福祉国家よりのタイプ、アメリカは前衛的で経済優先の利益追求タイプです。まあ、 と、偉そうに語ってしまいましたが、


実は私、アメリカにまだ行ったことがありません。貧富の差が激しいアメリカですが、その分世界的に有名な大学や企業も多く魅力的な国でもあります。アメリカは憧れの地の1つでもあるのでコロナが落ち着いたらいつか行っていたいなあ。