6年間ドイツ生活を送り、国語以外の日本の教科をロクにやってこなかった我が家の子達にとって遅れを取り戻すのは決して簡単なことではありません。


ということで、まず思いついたのが塾。

ですが、日本の学校生活もまだ慣れていない子供達にとって(特に次男は)塾に行かせることは明らかにキャパオーバー。


仮になんとか通えたとしても、この状態でそのうち頭に入ってくるのは一体何%なのか、と真剣に考え…今の時点で塾に通わせることはコスパが非常に悪いということが判明したため、しばらくは通信教育などを使いながら、私たちが勉強を見ることにしました。


30.05.2021


基本的には次男は私が担当し、長男は夫。


と、いうのも私は理科が大の苦手なのです…。


そこでホームオフィスで、今、比較的時間のある夫にお願いすることにしました。

しかし夫の教え方を見ていると、夫は学生時代に学んだ知識がちゃんと自分のものとして頭に入っていることに驚きます。



私と言えば、勉強が苦手だったので、とにかく頭に叩き込み(というか詰め込み)、受験と同時に抜けていく…という全くダメなタイプ。一体この違いはなんなんだろうと不思議に思いました。



まず、当たり前のことなのですが、人には能力の差があることをいい意味で認めた方が人は伸びるんだなということ。自分をよく知っている人は自分の興味を伸ばすのも上手だし、自分の弱点も知っているので、闇雲に無駄な努力をしないのです。

私はどちらかというと「努力した分だけ実を結ぶ」という根性論で育ってきたため、ずっと「能力がないことを言い訳にしてはいけない。これは努力不足なのだ」とずっと自分に思ってきました。



が、当然なのですが、先生の説明1回ですぐに理解できる人もいれば1000回聞いてようやく理解できる人もいるわけです。まずはそれを自分で認めることだなと思った訳です。と、いうのもわからないことをうやむやにせず、自分にあうやり方で理解できる方法を探す方がずっと効率的なんだと。


特に私は目に見えないことを理解することがものすごく苦手。(だと最近ようやく気がつきました。)どうやら科学的なことがイメージできない頭なのです。でもそれがあまり他人に知られたくなくて先生の説明でわかったふりをして、あとは暗記して詰め込んでいたのです。が、当然理解していないことはあっという間に抜け落ちていくわけで…。


そう考えると、自分肯定感も受験にプラスに働くと思われます。


もし先生に「君はこういう分野の理解が苦手だから、〇〇のようなことをして理解を深めるといいよ」と、

「私=バカだから理解できない人」みたいな捉え方ではなく、

人間には苦手なものがあることを当然の個性であると捉えた上で、具体的にその対策をしたらいいという言われ方をされたら、素直に自分の弱点が認められてもっと理科に興味が持てたのかなとも思います。

*自分で気がつけよ、という意見もあると思いますが、中高生はまだまだ未熟な存在なので、大人がこうして声をかけてあげる意義は大きいと思います。


実は意外にちょっとしたことが勉強への意欲を高めるのかもと感じました。



そしてなんと言っても学問に興味があること。もうこれに尽きると思います。


私にとって中学や高校時代の勉強は、受験のためだったため、全く興味が持てませんでした。特に中高時代は自分の世界も狭いので、海外の地理を学んでもさほど興味が持てず、また英語を学んでも使う機会が全くないのでこれまた興味が持てず…。

ですが、大人になって必要に迫られて学んだドイツ語や英語を通じて語学学習への興味がMAXに!


語学ってなんて深くて面白いんだろうと、今や私の完全なる趣味となりました。


また、休暇にはヨーロッパの国々に旅行に行くことで、その土地への興味を持つようにもなりましたし、子供の友達のシリアやモロッコからの友人の話を聞くことによって、イスラム圏にも興味を持ち、地理や国際的な文化への関心がこれまたMAXになったのです。



そして今はドイツと日本、両者の教育の違いを知ることで、また子供たちの勉強について頭を悩ませることで、教育への興味がMAX。最近では大学院で教育学を学んでみたいなと密かに思っているほどです。

というわけで、そうした興味ある知識は意外と簡単に抜けず、自分の血となり肉となっていく気がします。

そして学ぶ楽しみと喜び。

これが教養などにつながるのではないでしょうか。



結局必要に迫られたり、楽しかったり、身近に感じることで興味を持てることが学びにつながるというのが一番理想…とはいえなかなか難しいのが現実です。


夫の場合、子供時代に読んだサイエンス雑誌が面白くて天文学や物理に興味を持ったらしく、その後、特に理系の勉強が大好きになったそうですし、ドイツ時代お隣に住んでいた娘さんは絵を描くのが大好きだったのですが、ネット上で絵描き友達を作り、世界中の友達とフランス語や英語でやりとりしていると聞きました。


こうした「ちょっとしたこと」が興味の幅を広げ、受験で終わらせない勉強につながるのかもしれません。

勉強への興味をさほど持てないのに、学校の勉強や受験勉強が大好きな子というのは、いい点数や順位をとることだけに興味があるだけのこと。


その場合、受験が終わると燃え尽きてしまうので、その状態で受験の世界に放り込むのはなるべく避けたいと思っています。


とは言え、勉強に興味を持たせるのは本当に難しい。


受験にマニュアルはあっても、子育てにマニュアルなし。
常に手探りなのだと思う日々です。