06.11.2020

日本は結構な作家、アーティスト泣かせの国だと感じています。


定着すればいいのですがマスコミなどに煽られすぎて流行が過ぎたらおしまい、という状況を目の当たりにすると、なんだか複雑な気持ちに。

イラストレーターの端くれとして、バリバリ仕事をしていた時「とにかく新しいものを!」と追い詰められた気持ちに度々なっていました。


事実こんな私でもフリーランスイラストレーターとして食っていけるほど、日本はイラストや漫画の需要が多い国です。画廊だってお金さえ払えば貸してくれますし、挿絵の仕事も多い。

が、私自身とにかく「流行」「変化」「短期間で大量生産」「次につながることを!」という思考に常に支配され消耗感が凄まじく鬱っぽくなっていた時代もありました。一方、ヨーロッパではアートの垣根は高く、厳しさを感じる反面、いいものはいいと評価してくれる土壌が日本よりあると感じます。この両国のアートの考えの違いには驚かされました。


今思うと、自分にもっと芯があればバランスをもっと保てたのかもと思うのですが…でも実際日本って次々と新しいものが出てきて魅力的すぎるんですよね(笑)。


漫画だけでなく、デパートでもコンビニでも。


実は日本時代、私はたくさんの目新しいものに心を奪われながらも、心のどこかで、

「小ざっぱりと自分の好きなものだけで部屋を満たし、雑誌でよく提案されているようなパリジェンヌのように少ないワードローブをカッコよく着回して生きる」

そんな流行に振り回されない芯のある生き方に憧れていました。
(って既に雑誌に振り回されてますがな。)


が、今ならわかります。
日本で(特に都会で!)それは本当に簡単なことでないと!

目の前に高級ホテルのホテルビュッフェのご馳走が並んでいるのに「断食は大切」と言われているようなもんですよ(笑)!


しかしそんな私が、なんとドイツで今、比較的小ざっぱりと生きてるわけですが… 


それは単に購買意欲をそそるものがそこかしこに転がってないだけ(笑)。


これはドイツだけでなくヨーロッパ全体に言えることだと思うのですが、恐ろしく商品の種類やブランドが少ないのです。

いや、ハムやチーズ、ワインはいっぱいあるな(笑)。。


正確には、「恐ろしく新商品が少ない」です。


いつデパートやスーパーに行ってもさほど代わり映えしない商品。スーパーやコンビニに行っただけでも1ヶ月前とは違う顔ぶれ(商品)が並ぶ日本とは雲泥の差です。


おそらく保守的なドイツ人には、変わりネタはさほど響かないのでしょう。
(食が発達しないのもそこにあるのかと)


お洒落に関しても、日本のようにプチプラでかわいいものが少ないので、必然的にお金をためて少し高価なものを買ったり、アンティークショップなどを渡り歩いててお気に入りの1点を見つけたりするようになるのです。


ファッションに関しては「H&M」や「Mango」などのファストファッションもありますが、ある程度歳をとるとそれだけを買っているのも格好悪くなってくるのでやはり少し高いものを散々吟味して買うことになります。


イタリアやフランスなんかはやはりお洒落さんが多い国ですが、ドイツ人はファッションに保守的な人が多く、防水性、防寒性に優れた着心地の良い山ファッション的なものが日常的に着られています。(高級な山ブランドファッションで固めている人は典型的なお金持ちのドイツ人の場合が多い。一方ファストファッションのみ、そのファッションに釣り合わないこれ見よがしなブランドバックを持っている人はあまり裕福でない移民層が高かったりする。)


特にこちらでは毎年の流行もないので、着るものに振り回されなくなった点は本当に気が楽になりました。


でもヨーロッパってなんやかんやでお洒落じゃない?
雑誌で特集するほど!


魅力的な商品がないなんて信じられない!と思われるかも知れません。


もちろんヨーロッパには素敵なものがたくさんあります。


が、まず素敵なものは高い!(笑)


こちらにも1ユーロショプ的なものもありますが、日本の100円ショップとはクオリティが話になりません。つまりいいものは日本のように気軽に手に入らないことが多いのです。ただずっと使われる素敵なものはずっと持っていられる価値もありますし、ヨーロッパの建物や街並みなども本当に美しい。


ある意味保守的だからこそ長く広く多くの人に愛される魅力を放っているのかなとも感じます。もちろん日本にも美しい自然、建築物、工芸品などがたくさんあります。ドイツに住んだからこそその魅力に改めて気がついた点もあります。



最後に話が少し戻りますが、アニメも漫画も世界に誇れる日本の宝でもあるし、人生が潤う大切な要素の1つでもあります。だからこそあまり煽りすぎないで欲しいかな〜と。。。
なのでこれは作家ではなくそれを使って商売しようという人たちに対して思うことです。

あと、あの魚肉ソーセージとか!!!笑
子供が小さい頃、一緒にスーパーに行くたびに何本買わされたよ!という。。。

子どもも「小さい頃、なんであんなもの欲しがったんだろ〜」とか今になって言うんですよね。

まあ、そう言うのって安いし、育児の疲れからうっかり買うわけですが、結局「ちりつも」になっちゃう訳で。

なんかあの商売の仕方は、やっぱりちょっとひどいんじゃないかと思うのです^^;