先日の日曜日私の住むノルトラインヴェストファーレン州(以下NRW州)でKommunalwahl(地方選挙)が行われました。


地方選挙、つまり市長などを選ぶ選挙なのですが、この地方選挙権はドイツ国籍を有する人と、EUからの外国人のみ与えられており日本人家庭の我が家は選挙権がありません。



ですが、5年ドイツに住んでいる我が家にも今回なんと私たちにも「Wahl des Integrationsrates der stadt Dortmund」(ドルトムント市の移民統合協議会への選挙)への選挙権のみが送られてきたのです。こちらは移民の生活に利益をもたらす外国人諮問委員会の代表を選ぶことのできる権利で有権者は私たち外国人や帰化したドイツ人のみだそう。


おお!そんなのがあるのか…。完全に無縁な世界だと思っていましたが…。


ところでドイツ人は政治の話が大好きな人が多く日本に比べオープンな印象です。


なぜここまで政治に皆関心を持っているのか疑問でしたが、最近謎が解けました。ドイツの子ども、なぜか政治に関心のある子が多いのです。


とは言え、「あそこの政党はヤバイ」とか「トランプがどーのこーの」と言った程度などですが、学校でも選挙があった翌日は先生が話題に出したり、小学生から政党の種類を教わったりしています。(子ども新聞に分かりやすく解説していました)

*一部誤解を招く書き方をしてしまいましたが、
子供らは政治に関しては勝手に子供らが話しているだけで
(おそらく親の話の受け売りです。まあ所詮小学生の男子なんでこんなもんだと思ってください)
政党批判などは学校からの教育ではありません。

18.09.2020


私も子どもの頃、選挙に関しては公民の授業で習いましたがどちらかと言うと理論ばかりで具体的な政党名を出して授業を受けたことは記憶にありませんし(まあ、昔すぎて覚えてないのかも知れませんが…)、子どもの自分とは無縁の『大人の権利、自分とはほど遠いもの』と言う印象があり、私自身はあまり関心が持てませんでした。


まあ、ドイツの政党はかなり特徴があってわかりやすいと言うのも大きな理由かと思います。


ところでNRW州の地方選挙は16歳からが有権者なのだそう!


選挙結果はCDU(メルケルさん率いる党)、SPD、Grüneの順でしたが、WRD(ドイツ国営放送の地方局)のホームページでの分析によると、若者層(16〜24歳)のGrüneの支持率が非常に高まっており、高齢者ほどCDUやSPDに寄っていることが明らかになりました。


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 グラフ出典:WDR



ちなみにGrüneという政党は英語で言う「Green」(グリーン)のことで環境問題に焦点をおいた政策を重視していますが、若者層支持率の高さはなんとなく納得です。

たまに街で見かける環境デモは若者の参加者が多いし、私のタンデムパートナーも「コロナ禍で経済活動を抑制したら空気がものすごく澄んだあのインドの映像をテレビで見て考えるようになったよ」と、車をなるべくやめて移動にバスを使うようになったとのこと。


人々の思いや考えが投票結果にかなり反映されているなと感じました。
こうした世代別分析、面白いですね。


実は私自身、元々あまり政治に関心がなかった人間なのですが、このコロナ禍を経て色々と考えることが増えました。


もちろんこちらでは日本についても聞かれる訳ですし、その際に自分の意見を言えることはこちらではかなり重要です。まあ、そのためだけではありませんが、社会がより良くなるようにもっと関心を持たねばなあ、と日々思います。