01.05.2020


徐々にロックダウン緩和が始まったドイツ。一昨日のメルケル首相によるアナウンスで、動物園や美術館、公園などが再び開くことになりました。

さらに私の住む州では5月11日よりついに小学校も再開することが決定。ついに!と手放しで喜びたいところですが、当然ながらいきなり通常通りの学校生活が始まるわけではありません。

マスク、消毒液の設置、距離をとっての座席の配置などの対策を行なった上で学年ごとに登校日が異なるというなんとも念入りな登校になりそうな予感。でもまあこのままホームスクーリングだけでは限界があったので少しでも前進を感じられて嬉しくも思います。


さて、ロックダウン緩和の基準は果たして何なのか?毎日1000人以上の感染者が出ているにも関わらず。ただドイツでは回復者が大幅に増えてきています。

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出典:「Westfälische Rondschau Coronavirus Monitor」


ドイツでは「Reproduktionszahl 」(以下「R」と略します。直訳すると「複製数」?)という数値に注目しています。これは「一人あたりが感染させる人数」という意味であり、例えばR =3である場合、一人当たりの感染させる人数は3人、つまり10人いればあっという間に30人に広がるという計算で、これは3月のドイツがまさにこの状態。R=1だと、一人あたり1人に感染させるという計算になるので広がりもしなければ終息もしない、現状維持。そしてR<1(Rが1以下)であれば一人当たりの感染させる人数が一人以下なので徐々に終息に向かうという訳だそうです。現在のドイツのR値は約0.7〜1.0をウロウロしているため(うちの州はなんと嬉しいことに本日0.5を切りました!)政府もこのR値を頼りに緩和を進めている様ですが、まあこんな不安定な数値なので非常に慎重になっています。ただ対策をしないで一気に緩和するとあっという間にR値が2やら3やらになってしまいパンデミーが起こってしまうそう。もちろんドイツでも第2波、第3波を懸念しています。本当に厄介なウイルスですね。。。


ところで初期には感染学者、研究所、医療関係者ばかりがメディアに出ていましたが、今は経済学者、社会学者、児童学者などがコロナ禍での子供の権利や社会問題などを訴えています。世の中にはいろんな学者がいるもんだ。。。 庭付きの豪邸に住んでいる人と貧困者との生活の差は非常に大きく教育格差も広まるばかり。虐待などの問題も当然あります。ドイツもこれ以上閉めていると国民も黙っていられないでしょう。日本もそろそろ限界だと思うので、何かしらはっきりした緩和の基準が欲しいところです。