先日メルケル首相がコロナ関連で国民に呼びかけを行うメッセージを出しました。時間は約13分程度。


こうしたニュースや政治関係のスピーチは非常に難しいことが多いのですが、今回のメルケルさんは「この度はいつもとは違う手法で皆さんに語ります」とはじめに伝えた上で、非常にゆっくりとしかも比較的簡単な表現で少しでも多くの人に伝わるようにと語っており、リスニングの苦手な私でも1回でかなり理解することがきでました。 3月19日22時の時点でコロナ患者が1万5千人を超えたドイツ。明らかに異常な事態です。日本でもいち早くコロナが広まりましたが、現時点では正確な数値が分からないとはいえそこまで大きな上昇はないようでこのまま収束を願うばかりです。しかしドイツを含め、ヨーロッパでは恐ろしく拡大してしまいました。

私の完全な素人目線で分析するとすれば、やはり欧米文化はコミュニケーションに握手やハグなどの濃厚な接触があるということ(まあ、日本の満員電車もやばいくらい接触しまくってますが。。。)や、衛生面でも日本人のような潔癖さがないというのが考えられる上、日本のように「事前に予防する」という意識があまりない(何か事件が起きればその時に解決すればいいという考え方)などということが考えられます。ドイツはよくも悪くも完璧を求めない、人は間違いを犯すもの、という考えが根付いており、だからこそリラックスできる環境でもあるのですが。。。


しかし、突然の学校、幼稚園の閉鎖、リモートワーク、買い占め、劇場やフィットネス スタジオの閉鎖、ブンデスリーガ中止、サッカー場や公園で遊ぶの禁止…と、どんどん閉鎖的になっていく社会。当然人々のイライラは募っていくのですが、そのタイミングでメルケルさんの演説が行われました。 ポイントとしては

*ドイツ統一、いや第二次世界大戦以来、我々にとってこんなに大きな挑戦があっただろうか。
 一人一人の皆さんにどうぞこの事態を真剣に受け止めていただきたい。

*我国のような民主主義国家において、こうした移動の制限などが軽々しく決められてはいけないことを知っている。決してあってはならないこと。しかし今は命を救うために必要不可欠。

*現在、コロナウィルスへの特効薬がない。我々ができる唯一の対策は、「時間を伸ばすこと」である。少しでも感染しないように一人一人が気をつけ、その間にワクチンや薬を開発するしかない。

*ドイツは医療先進国とは言え、このままでは病院がパンクし医療従事者が倒れてしまう。一人一人がかからないよう努力することで命を繋ぐのだ。

*とにかく人と接触をしない(人とは1.5メートルの距離を取る)徹底的な手洗い。

*無闇な買い占めを避けてほしい。必ず品物は補充される

*経済の打撃について連邦政府は対策をする

*医療従事者からスーパーの棚をいつも補充してくれる、コロナの恐怖と背中合わせで働かねばならない人たちに心から感謝する

などです。

ここまでコロナが広がってしまったことに驚きと恐怖を感じましたが、そんな中この演説を聞いて、なんとかなるかもとも思えました。当たり前と言えば当たり前のことを言ってるのかも知れません。が、少なくとも私の胸には響くものがある演説でした。しかし、人間活動が弱まっているため、世界的にも大気汚染が改善されているとのこと。何とも皮肉なものです。

41584112-872F-4CF0-A810-4167EDBA98FB
*家でやることがあまりないのでアクリルガッシュイラストの練習中。子供はたまに楽器などを弾いています。意外と普段やらないことに集中できていいですね。